Tajimi Express Co.,Ltd Presents

鉄道アーティスト・鉄道コンテナアドバイザー小倉沙耶の通運ってこんなにおもしろい!

低床貨車導入で広がる輸送の選択肢

40ft海上コンテナ輸送の実証実験

昨年11月に大館駅と新潟貨物ターミナル駅で40ft海上コンテナを鉄道輸送する実証実験が行われました。高さの高い40ftのコンテナは、現在使用されている貨車では通れる線区が決まっていますが。実証実験で使用されたのは低床コンテナ車であるコキ73系。実証実験が順調に進んで低床貨車が導入されれば、海上コンテナのスタンダードサイズである40ftコンテナを線区問わずそのまま載せることができ、輸送の効率化が図れます。
国土交通省が設置した「今後の鉄道物流のあり方に関する検討会」においても、課題の一つとして「国際海上コンテナの海陸一貫輸送への対応」として実証実験を進める旨記されており、冒頭の輸送も国土交通省鉄道局が実施しました。

 

コキ73系と低床貨車の持つ可能性

コキ73は2016年に製造されて以来、試運転や改良を繰り返してきました。2019年には陸送で大阪貨物ターミナル駅に入り、その姿を金網越しに確認した私は、いよいよ海上コンテナが縦横無尽に日本の鉄路を走るのかしらと興奮しました。
しかしながらまだ実証実験段階で、車両の量産化が見えていないのは事実。本来でしたら2021年には東海道本線や山陽本線で運用を開始する予定だったので、計画からは遅延気味です。2018年から、運用に入るコンテナ車が全てコキ100系列になったことで汎用コンテナが20㎥級となったように、低床貨車が通常運用に入れば、輸送のかたちが大きく変わるかと思います。大型のトレーラーが貨物駅に入ることで、駅の改良などもされるでしょうし、各臨海鉄道はそのポテンシャルを大きく発揮するでしょう。
2024年問題や貨物鉄道輸送を現在の10倍にするという国の計画にも大きく寄与するであろう低床貨車の開発。今後の進展が楽しみです。

 

多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
https://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html

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小倉沙耶

PROFILE

小倉沙耶 こくら・さや

鉄道コンテナアドバイザー・鉄道アーティスト
都市交通政策技術者

1980年3月30日生まれ、愛知県豊橋市出身で現在は兵庫県伊丹市在住の鉄道アーティスト。子供の頃から母の実家である長崎に寝台特急「さくら」で何度も帰省し、その鉄道の旅情に魅了され、鉄道ファンとしての情熱を抱く。
2002年から「鉄道アーティスト」としての活動を開始し、テレビ・ラジオ出演や執筆活動だけでなく、鉄道イベントの司会や企画、講演なども手がけている。モットーは「鉄道に関わる全ての方が、笑顔でいられるためのお手伝い」。
2009年には明知鉄道観光大使に就任し、2013年には京都大学大学院工学研究科低炭素都市圏政策ユニットより都市交通政策技術者(第112号)に認定された。
2022年からは一般社団法人交通環境整備ネットワークの審議役を務め、通運の経験を生かし、鉄道コンテナアドバイザーとしても活動している。2021年には出産し、乳幼児連れでの公共交通利用促進と周囲の理解についてメディア・イベントなどで積極的に発言している。
鉄道趣味の中心は気動車・貨車・古いレールであり、その情熱を通じて広く鉄道文化の普及に尽力している。