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【第109回】万博の入場予約で思い出した「コンテナ枠取り」の世界

入場予約合戦とコンテナ枠取りの似ているところ

182日間にわたって行われた、大阪・関西万博が終了しました。私も開幕直後と終了間際という両極端な時期に参加しましたが、海外を身近に感じることのできる良い機会でしたし、勉強にもなりました。
さて、万博において終了場際に話題になっていた事柄の一つが、入場予約がとれないこと。
私は早めの予約が功を奏して、早朝に行われた予約枠の解放狙いなどとは無縁でしたが、友人は毎日「〇時と〇時に枠が空くから」と、スマホをタップしていました。
その姿に既視感があり、しばらく考えた後で「ああ、コンテナの枠取りだ!」と合点がいきました。

一瞬の解放をつかみ取る現場のリアル

コンテナ列車で輸送するための枠(旅客列車でいう座席)には、1週間前から予約可能な通常枠と、毎日同じ列車の枠を同じ荷主で使用することを条件に予め枠をあてがってもらう指定枠の2種類があります。そのほかにもJR貨物側で持っている調整枠などもあり、どうしても枠が空かない列車でも、お昼頃にポロっと出てくることがあります。その枠をサッと拾うのが得意な方や趣味の方などもおられ、実際に別の通運会社さんで「趣味は休みの日に布団の中で解放された枠をゲットすることです」と仰られる方も。
どうしても枠が空かない時に、JR貨物のサポートセンターに電話をかけて調整してもらうこともあるのですが、ここで空けていただく枠を取るのは、通運側が予め予約等を行うIT-FREINSで予約直前まで操作を行い「では解放しますよ…はいっ!」「…取れました!ありがとうございます!」といった手動のやりとりが行われます。
でもたまに、本当に偶然なんですが、奪われてしまうこともあるのです。そういった場合は、また1から調整をお願いし、時にはサポートセンター側ではどうしても調整できない場合も。そういった場合には、営業支店や駅、時には同じ駅に属する他通運と調整して、枠を確保します。
入場予約とコンテナ枠取り、分野は違えど「一瞬を逃さない」という点では同じだと改めて感じました。