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【第111回】鉄道コンテナでディーゼルカーのエンジンを運んだ話【後編】

鉄道コンテナ輸送のデメリット?

キハ2004を守る会の依頼により、ディーゼルカー キハ2004用のエンジンを、茨城県のひたちなか海浜鉄道から福岡県の平成筑豊鉄道まで鉄道コンテナで輸送したお話しの後編です。
実際に輸送した印象を、キハ2004号を守る会の依頼を受け、荷主となった株式会社ワンマイルの手嶋氏に伺うと「いつ着くか分からないのはデメリット」とバッサリ。
しかしこれについては、急ぐ荷物ではないと伝えていたそうで、輸送期間中に大雨や3連休などを挟み、どうやら途中駅で中継落ち(列車乱れや運休のため、列車への乗り継ぎができなくなる)してしまったよう。これは恐らく、急送品を優先したため、積載列車がどんどん後ろ送りになってしまったからでしょう。
ジャストインタイムを求める場合、鉄道コンテナ輸送は不利に思われがちですが、通運は輸送の調整や不測の事態に対応する様々な手段を多数持っていますのでご安心ください。

輸送環境の変化と鉄道コンテナの可能性

今回、輸送の見積もりを取るにあたり、世の中のトラックチャーターが高くなっていることを実感されたそうです。2024年問題が取りざたされていたのは2024年以前のことで、現在も輸送の崩壊は起きていないのだから大丈夫と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、価格の高騰、そして人手不足によりそもそも輸送を請け負ってくれる会社が足りなくなっているのは事実。手嶋氏も、鉄道貨物輸送にはチャンスだと仰っています。
先にお話しした通り、各通運それぞれ納期厳守の荷物も多数扱っており、輸送障害が起きた場合のリカバリー手段をそれぞれ持っています。多治見通運の場合は通運間のクロスドック輸送などで訓練を重ねて、BCP対策などにも取り組んでおります。
鉄道コンテナ輸送によって運ばれた、ディーゼルカーの心臓でもあるエンジン。キハ2004を守る会のFacebook投稿では
「このエンジンと既存エンジンとの戦いが、また始まることになるのです」
という言葉で締められていました。戦いを制し、力強いエンジン音を響かせてくれるよう、心から祈っています!
参考:キハ2004を守る会Facebookページ内の投稿