【第110回】鉄道コンテナでディーゼルカーのエンジンを運んだ話【前編】

キハ2004の心臓「エンジン」を求めて
先日、Xで気になるポストを見つけました。ディーゼルカーに用いられる古い型式のエンジンを、茨城県から福岡県まで鉄道コンテナで運んだとのこと。
詳しくは「キハ2004を守る会」のFacebookページに書かれているのですが、平成筑豊鉄道の金田車両基地で保存されているディーゼルカー、キハ2004のエンジンの調子が悪く、なんとか修理をしたい、部品だけでも手に入れたいと東奔西走。すると、この車両のふるさとでもある茨城県のひたちなか海浜鉄道から「予備のエンジンが1台だけある」と、譲っていただけたのだそうです。
このエンジンの輸送コーディネートを担当したのが、私の古くからの知人でもある株式会社ワンマイルの手嶋康人氏。彼のXポストで、輸送手段として鉄道コンテナが使われたことを知り、詳細を伺いました。
鉄道コンテナが最適解だった理由
そもそも、なぜコンテナ輸送を選んだのか。彼は生粋の鉄道ファンでもあり、鉄道玩具の制作やミニ電車事業、保存車両の修繕などを手がけています。だからこそ、趣味の延長線上で利用したのかと思いきや、様々な輸送手段と比べ、価格的に有利だったことが決め手とのこと。トラックチャーターで茨城~福岡間を利用すると、30万円ほどかかるそう。ならば自分でレンタカーを利用して運ぼうとも考えたそうですが、5日間で20万円。鉄道コンテナ輸送ならば15万円ほどと、圧倒的に安かったのだそうです。
鉄道輸送は長距離であればあるほど価格的に有利となりますので、納得です。
手嶋氏はもともとキハ2004号を守る会のメンバーで、当初から車体補修などを行っていたとのこと。
守る会の会長および幹事から全面的な依頼を受け、手嶋氏が通運会社の選定を行い、氏の会社が荷主となって北関東の貨物駅から福岡県内の貨物駅まで、5トンコンテナによる輸送を実施しました。
積み降ろし作業については、守る会の幹事がひたちなか海浜鉄道と平成筑豊鉄道の両社に出向いて対応しました。両社とも守る会の活動に理解を示し、半ばボランティアの形でご協力くださったとのこと。
また、ラッシングベルトの固定や各種の養生作業は、ワンマイルのメンバーが担当されたそうです。
実際の鉄道車両の保存活動にも多く携わり、これまで様々な輸送などにも対応してきた手嶋氏。
実際に鉄道コンテナ輸送を利用してみて、どう思われたのでしょうか。後半でお伝えします。











