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鉄道アーティスト・鉄道コンテナアドバイザー小倉沙耶の通運ってこんなにおもしろい!

関東~北海道間の列車体系を刷新—より使いやすくなるJR貨物ダイヤ改正

引き続き、今年3月に行われるJR貨物ダイヤ改正の話題です。

 

昨年12月15日にJR貨物から発表されたニュースリリースでは「関東~北海道間の列車体系を刷新します」とあり、新設される列車が紹介されています。注目は、東京(タ)を21:40に発車し、札幌(タ)に翌日21:35に到着する95列車。実はこの列車、過去にも同区間を結んでいた列車で、現在は6095列車という季節列車になっています。手元にある2017年のコンテナ時刻表によると、当時の95列車の荷役線出線時刻は18:27で出発は19:56。そして現在の6095列車は東京(タ)の出発がさらに早く18:32と、当日午後に集荷した荷物を載せるには厳しいダイヤですし、そもそも毎日運転の列車ではありません。「改正前」として95列車と並べてリリースに記載されている3055列車も隅田川12:12発と当日発送したいコンテナでは使いづらい時刻でした。今回の改正により、東京(タ)の発車は21:40とかなり使いやすい設定になりました。気になるのは荷役線出線時刻ですが、大々的にリリースを出しているので、そこまで間は開かないのではないかと思っています。

 

かつて北へ向かう旅客優等列車の始発駅は上野が主流でした。現在は新幹線にその座を譲り、始発駅も東京に。上野発の夜行列車というフレーズも曲に残るのみとなりました。貨物列車におけるかつての上野駅的存在は隅田川駅であり、現在も東北・北海道方面へ向かう列車の多くは隅田川駅から出ていますが、95列車が好評であれば、今後は北へ向かう東京(タ)発の列車が増えるかもしれません。

 

また、3月の改正では神奈川地区と北海道間の利便性向上を図るため、現在は隅田川行きとなっている札幌(タ)発上りの94列車が、隅田川や東京(タ)での取り扱いをせず、そのまま新座(タ)、横浜羽沢、相模貨物へ直結する列車として設定されることになりました。この94列車、コロナ禍の最中となる2021年のダイヤ改正により新座(タ)着から隅田川着へと変更されていたもの。現在、横浜羽沢は前日朝に札幌(タ)を出発し翌日朝到着する列車が1本設定されていますが、相模貨物は東京(タ)経由で3日目午前着、新座(タ)に至っては隅田川経由で3日目午後着とかなり到着が遅くなっています。新座(タ)は前述のとおり、2021年3月のダイヤ改正までは94列車が翌日午後に到着していました。北の大地からの直通列車が再びやってくるのは、かなり大きな動き。毎年、ダイヤ改正のリリースや時刻表とにらめっこしていると、様々なストーリーが見えてきて興味深いです。

 

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小倉沙耶

PROFILE

小倉沙耶 こくら・さや

鉄道コンテナアドバイザー・鉄道アーティスト
都市交通政策技術者

1980年3月30日生まれ、愛知県豊橋市出身で現在は兵庫県伊丹市在住の鉄道アーティスト。子供の頃から母の実家である長崎に寝台特急「さくら」で何度も帰省し、その鉄道の旅情に魅了され、鉄道ファンとしての情熱を抱く。
2002年から「鉄道アーティスト」としての活動を開始し、テレビ・ラジオ出演や執筆活動だけでなく、鉄道イベントの司会や企画、講演なども手がけている。モットーは「鉄道に関わる全ての方が、笑顔でいられるためのお手伝い」。
2009年には明知鉄道観光大使に就任し、2013年には京都大学大学院工学研究科低炭素都市圏政策ユニットより都市交通政策技術者(第112号)に認定された。
2022年からは一般社団法人交通環境整備ネットワークの審議役を務め、通運の経験を生かし、鉄道コンテナアドバイザーとしても活動している。2021年には出産し、乳幼児連れでの公共交通利用促進と周囲の理解についてメディア・イベントなどで積極的に発言している。
鉄道趣味の中心は気動車・貨車・古いレールであり、その情熱を通じて広く鉄道文化の普及に尽力している。