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鉄道アーティスト・鉄道コンテナアドバイザー小倉沙耶の通運ってこんなにおもしろい!

鉄道コンテナ輸送最新事情ー今後の飛躍に期待


新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類に変わり、日常生活もコロナ禍前に戻りつつあるこの頃。データとしてはまだ出てきてはいませんが、今夏の旅客の動きについても、インバウンドやレジャーでの移動など、昨年よりもより多くの方が移動をされていた印象があります。ということは、物流もコロナ禍前に戻るかと思いきや、なかなか難しい状況です。
JR貨物が毎月発表している輸送動向によると、2023年7月の鉄道コンテナ輸送は、前年比86.7%。商品の値上げ等により個人の消費が低迷しているほか、夏に大きく動く清涼飲料水輸送の現地生産化や山陽本線不通の影響で飛び悩んだことが一因だそう。輸送品目別にみても、前年比増の項目がなく、輸送全体で落ち込んだことがわかります。一方、タンク車などによる車扱輸送については前年比109.0%。これは、セメントや石灰石輸送が前年の出荷調整等の反動で増えたほか、外出の機会が増えたことによって燃料の需要が増加したことが要因としてあげられます。
物流は血流とよく似ています。血液がしっかりと巡れば、寒い時期にも手足は冷えず、快適に動くことができます。物流も同じで、ものがきちんと循環することで、地域の冷えはいくらか抑えられるはず。個人消費についてはすぐに改善できるものではないですが、不通時のクロスドック等、より鉄道コンテナ輸送を便利にするための仕組みづくりは各所で行われていますから、あとは消費が上向き、物流が活発化することを祈るばかりです。動きが鈍化している今こそ、モノの流れを見直すチャンスかもしれません。輸送の次の一手として、鉄道コンテナ輸送も検討していただければと思います。

 

参考資料:輸送動向について(2023年7月分) https://www.jrfreight.co.jp/info/2023/files/20230818_01.pdf

 

多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
https://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html

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小倉沙耶

PROFILE

小倉沙耶 こくら・さや

鉄道コンテナアドバイザー・鉄道アーティスト
都市交通政策技術者

1980年3月30日生まれ、愛知県豊橋市出身で現在は兵庫県伊丹市在住の鉄道アーティスト。子供の頃から母の実家である長崎に寝台特急「さくら」で何度も帰省し、その鉄道の旅情に魅了され、鉄道ファンとしての情熱を抱く。
2002年から「鉄道アーティスト」としての活動を開始し、テレビ・ラジオ出演や執筆活動だけでなく、鉄道イベントの司会や企画、講演なども手がけている。モットーは「鉄道に関わる全ての方が、笑顔でいられるためのお手伝い」。
2009年には明知鉄道観光大使に就任し、2013年には京都大学大学院工学研究科低炭素都市圏政策ユニットより都市交通政策技術者(第112号)に認定された。
2022年からは一般社団法人交通環境整備ネットワークの審議役を務め、通運の経験を生かし、鉄道コンテナアドバイザーとしても活動している。2021年には出産し、乳幼児連れでの公共交通利用促進と周囲の理解についてメディア・イベントなどで積極的に発言している。
鉄道趣味の中心は気動車・貨車・古いレールであり、その情熱を通じて広く鉄道文化の普及に尽力している。