Tajimi Express Co.,Ltd Presents

鉄道アーティスト・鉄道コンテナアドバイザー小倉沙耶の通運ってこんなにおもしろい!

コンテナと切っても切れない、サイズの話

関西2府4県のみの放送(インターネットでも配信)でしたが、3月17日にNHK総合「鉄オタ選手権 JR貨物の陣」に出演いたしました。その中で、「小倉沙耶のコンテナ講座」というコーナーを設けていただき、中川家さんをはじめとする出演者の皆様に、12ftコンテナをご説明するという、とてもありがたい機会がありました。そして更に、そのコーナーをご覧になられた方から「コンテナを見るのが楽しくなりました」というご感想もいただき、感無量です。
基本的にはアドリブで進んでいたコーナーですが、ロケ地である吹田貨物ターミナル駅でコンテナを並べていただくにあたり、どんなご紹介をするかというのは、ディレクターさんにお話しをしておりました。19Dは両開きのコンテナなので、パレットの荷物が積みやすい、19Gはトラックに載せたときに後ろから卸せるので便利等々、このコラムでもご紹介したり、名古屋貨物ターミナル駅で行ったトークショーなどでもご紹介したことではあるのですが、あまりテレビの世界では取り上げられなかったことで、テレビクルーの皆様にも新鮮味があったようです。
 
話は少し変わります。以前、このコラムで才数についてお伝えしました(『コンテナに載る荷物量について』)。番組の中でも、才数という単語はカットとなりましたが「みかん箱〇個分」という単語は登場。1才はみかん箱1箱分で、物流用語として「荷物量は〇才です」「このトラックには〇才まで積めます」という風に使います。
普段お客様には「12ftコンテナには500才の荷物が積めますよ」とお伝えしていました。荷物の大きさや形はそれぞれ。おおよそのサイズ感としてお伝えしているのが500才という単位で、実際には530~550才ほどの荷物を積むことが多いです。
才数は、(長さmm×幅mm×高さmm)÷303÷303÷303で求められます。正確なコンテナの才数は、19Dコンテナの場合、内寸が3,647mm×2,275mm×2,252mmですので、671.67才となります。ただ、荷物ひとつひとつの大きさなども鑑みて、500才を基本として考えていただき、それ以上の荷物量については綿密なお打ち合わせの下、輸送方法を考えていきます。
 
鉄オタ選手権JR貨物の陣にて「小倉沙耶の推しコンテナ」として登場したのが、20㎥サイズのコンテナ。コキ50000形式の引退により、19㎥級より10cm背の高い20㎥級コンテナの使用制限がなくなり、現在は汎用コンテナとして使用されています。高さが10cm増えたということは、才数としては29.83才分の荷物を追加で積むことができるということになります。
「ああ、あと1cmの隙間があればこの荷物も載せられるのに」というのは、何度も体験したことです。たかが10cm、されど10cm。推しコンテナとして20形式を取り上げていただけたことで、よりコンテナの可能性を知っていただける機会になったのではないかと思います。

 

多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
https://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html

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小倉沙耶

PROFILE

小倉沙耶 こくら・さや

鉄道コンテナアドバイザー・鉄道アーティスト
都市交通政策技術者

1980年3月30日生まれ、愛知県豊橋市出身で現在は兵庫県伊丹市在住の鉄道アーティスト。子供の頃から母の実家である長崎に寝台特急「さくら」で何度も帰省し、その鉄道の旅情に魅了され、鉄道ファンとしての情熱を抱く。
2002年から「鉄道アーティスト」としての活動を開始し、テレビ・ラジオ出演や執筆活動だけでなく、鉄道イベントの司会や企画、講演なども手がけている。モットーは「鉄道に関わる全ての方が、笑顔でいられるためのお手伝い」。
2009年には明知鉄道観光大使に就任し、2013年には京都大学大学院工学研究科低炭素都市圏政策ユニットより都市交通政策技術者(第112号)に認定された。
2022年からは一般社団法人交通環境整備ネットワークの審議役を務め、通運の経験を生かし、鉄道コンテナアドバイザーとしても活動している。2021年には出産し、乳幼児連れでの公共交通利用促進と周囲の理解についてメディア・イベントなどで積極的に発言している。
鉄道趣味の中心は気動車・貨車・古いレールであり、その情熱を通じて広く鉄道文化の普及に尽力している。