Tajimi Express Co.,Ltd Presents

鉄道アーティスト・鉄道コンテナアドバイザー小倉沙耶の通運ってこんなにおもしろい!

オフレールの距離感の違い

前回『オフレールの費用』からの続きです。

 

鉄道貨物輸送におけるオフレール部分、つまりトラックでコンテナを輸送する部分は、およそ10km毎に料金が変わってきます(料金は通運によって異なります)。駅から10kmの範囲を「1区」、20kmが「2区」30kmを「3区」と呼びます。ここまでが基本範囲で、そこから先は「外」という言葉を使い、40kmは「外10km」50kmは「外20km」という表現になります。外〇kmというエリアに配達をお願いするのは、遠方のエリアということになるので、依頼の際は「ちょっと遠いんですけど…」と恐々お願いすることも多々。

 

さて、距離に対しての「遠い・近い」という概念は駅や通運によって様々。駅から離れた場所であっても、大きな工業団地や商業地などがあり集荷配達が多い場合は、そちら方面への輸送は問題ないでしょうし、大口の取引先がある場合も
「ああ、このエリアなら行き慣れているから大丈夫ですよ」
と、すんなり引き受けていただけることが多いです。また、関東圏や関西圏は貨物駅が多いため、配達先に近い駅を選ぶより、より便利な直通列車が走っている駅を選択する場合もあります。

 

距離に対して「近い」というニュアンスでお話ししてくださるのは、なんといっても北海道の通運担当さんです。自分の体感として、駅から驚くほど離れた場所への配達依頼が舞い込み、通運さんへ恐る恐る電話。

 

「あの、ここってそもそも何kmくらいの場所なんでしょうか?」
と伺うと
「うーん、外80kmですね!朝イチにコンテナを駅につけてもらえれば当日行きますよ!」
と明るいお返事が。

 

「が、外80km!110kmですか!良いんですか?助かります!一日仕事になっちゃいますよね…恐れ入ります」
と私が言うと
「いやいや、北海道ですからね。遠いのは慣れてるんですよ。むしろ近いとラッキーみたいなもので」
と返され、やはり北海道はスケールが違うなあと思った次第です。

 

多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
http://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html

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小倉沙耶

PROFILE

小倉沙耶 こくら・さや

鉄道コンテナアドバイザー・鉄道アーティスト
都市交通政策技術者

1980年3月30日生まれ、愛知県豊橋市出身で現在は兵庫県伊丹市在住の鉄道アーティスト。子供の頃から母の実家である長崎に寝台特急「さくら」で何度も帰省し、その鉄道の旅情に魅了され、鉄道ファンとしての情熱を抱く。
2002年から「鉄道アーティスト」としての活動を開始し、テレビ・ラジオ出演や執筆活動だけでなく、鉄道イベントの司会や企画、講演なども手がけている。モットーは「鉄道に関わる全ての方が、笑顔でいられるためのお手伝い」。
2009年には明知鉄道観光大使に就任し、2013年には京都大学大学院工学研究科低炭素都市圏政策ユニットより都市交通政策技術者(第112号)に認定された。
2022年からは一般社団法人交通環境整備ネットワークの審議役を務め、通運の経験を生かし、鉄道コンテナアドバイザーとしても活動している。2021年には出産し、乳幼児連れでの公共交通利用促進と周囲の理解についてメディア・イベントなどで積極的に発言している。
鉄道趣味の中心は気動車・貨車・古いレールであり、その情熱を通じて広く鉄道文化の普及に尽力している。