Tajimi Express Co.,Ltd Presents

鉄道アーティスト・鉄道コンテナアドバイザー小倉沙耶の通運ってこんなにおもしろい!

北海道から小牧へ、長旅を経たパロマコンテナが到着。


パロマ北海道工場で製造された電装部品を積んだ白パロマことUR19A-1500コンテナは、無事に名古屋貨物ターミナル駅へ到着。ここからはトラック輸送でJR貨物小牧コンテナ営業所へと運ばれます。こちらは名古屋貨物ターミナル駅の施設の一部という扱いになっており、通運側で小牧発着を選択すれば、コンテナの取り扱いを行えるようになっています。小牧エリアは工場や倉庫などが多く、小牧コンテナ営業所を利用することにより、各通運の鉄道コンテナを載せたトラックの移動距離は短くて済み、よりフレキシブルに動くことができます。

 

朝一番、多治見通運のトラックは小牧コンテナ営業所で白パロマを載せ、パロマ大口工場へ。ここで降ろし作業が行われます。コンテナの扉を開けると、重量バランスを考えてズレないようにきっちりと積まれた荷物がお目見え。そういえば、北海道工場で行われている積み込み方法をドライバーさんはご存じないのではと思い質問してみると、やはり初耳とのこと。積み込みのテクニックなどは、個々の技量のほか、自社のルールや積み込み先での指示などがあり、降ろし先ではその意図を計れないこともしばしば。パレット毎の重量を計測し、コンテナ内に平均的に積むことを知ったドライバーさんは

 

「なるほど!各工場向けの荷物がコンテナの中でバラバラに積んであるなとはずっと思っていたんです。意図的だったんですね!」

 

と目を丸くさせながら仰っていました。

 

北海道工場からの荷物は大口工場だけでなく、日本全国にあるパロマ工場向けの荷物が混載されています。降ろした荷物は各工場毎に仕分けし、そこから様々な輸送手段で運ばれます。

 

空になったコンテナに、再び荷物が積まれていきます。パロマコンテナは大口工場〜北海道工場をピストン輸送しており、大口工場で積まれるのは空パレットや輸送用のカゴなど。このように、専用コンテナを用い固定の運用を行うことで、コンテナが空の状態になることなく、無駄のない輸送となります。しっかりと封印環を取り付け、輸送準備完了!およそ中一日ほどで、再び北海道工場へと戻ります。

 

紅白のパロマコンテナを載せた貨物列車やトラックは、今日も北海道〜愛知の空の下、たくさんの荷物と思いを載せて走っています。

 

多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
http://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html

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小倉沙耶

PROFILE

小倉沙耶 こくら・さや

鉄道コンテナアドバイザー・鉄道アーティスト
都市交通政策技術者

1980年3月30日生まれ、愛知県豊橋市出身で現在は兵庫県伊丹市在住の鉄道アーティスト。子供の頃から母の実家である長崎に寝台特急「さくら」で何度も帰省し、その鉄道の旅情に魅了され、鉄道ファンとしての情熱を抱く。
2002年から「鉄道アーティスト」としての活動を開始し、テレビ・ラジオ出演や執筆活動だけでなく、鉄道イベントの司会や企画、講演なども手がけている。モットーは「鉄道に関わる全ての方が、笑顔でいられるためのお手伝い」。
2009年には明知鉄道観光大使に就任し、2013年には京都大学大学院工学研究科低炭素都市圏政策ユニットより都市交通政策技術者(第112号)に認定された。
2022年からは一般社団法人交通環境整備ネットワークの審議役を務め、通運の経験を生かし、鉄道コンテナアドバイザーとしても活動している。2021年には出産し、乳幼児連れでの公共交通利用促進と周囲の理解についてメディア・イベントなどで積極的に発言している。
鉄道趣味の中心は気動車・貨車・古いレールであり、その情熱を通じて広く鉄道文化の普及に尽力している。