Tajimi Express Co.,Ltd Presents

鉄道アーティスト・鉄道コンテナアドバイザー小倉沙耶の通運ってこんなにおもしろい!

紅白のパロマコンテナのひみつ

多治見通運ウェブサイトのトップページを見ると、紅白の可愛らしいコンテナの写真が掲載されています。これは、ガス機器などで有名な株式会社パロマ様との共同で完成したラッピングコンテナで、鉄道輸送では名古屋貨物ターミナル駅と東室蘭駅とを結んでいます。私も在籍時に少しだけ関わっていたのですが、テレビ番組でも取り上げられるなど、鉄道愛好家の中でも注目を浴びており、一ファンとしても嬉しく思っています。今回はこちらのコンテナについてご紹介します。

このパロマコンテナ、計画段階では同じ色のコンテナにしようという案もありましたが「せっかく2つ作るのだからおめでたい紅白で」という話が出て、現在の2色になりました。第8回でもご紹介した日本石油輸送のリースコンテナを改番し、それぞれ鮮やかな白と赤に塗り、カッティングシートを貼り上げて完成しました。

北海道からは電装基盤やハーネスといった部品、東海地区からは空の箱や籠などを交互に輸送しており、輸送の効率化と環境負荷の低減を図っています。

この2つのコンテナは、片方が北海道にいるときは片方が東海地方にいる…という運用になっています。長期連休の後などで両方が同じ駅にいることも稀にありますが、それは到着後と発車前というすれ違い。奇跡のタイミングであって、同じ列車に乗ることはありません。しかし一度だけ、この2つのコンテナが同じコンテナ車に隣同士で並んだことがあります。2018年5月に札幌貨物ターミナル駅で初めて開催された「鉄道貨物フェスティバルIN札幌」会場内でのことで「北海道に縁があり映えるコンテナを2つ並んで展示したい」というJR貨物からのご提案で実現したものです。あまりの貴重さに、私もプライベートかつ日帰りで見に行ったほど。晴天の下並んだ紅白のコンテナはとても美しく、いつまでも見惚れていました。通りかかった鉄道愛好家の方も「あっ!パロマコンテナが並んでる!これはすごい!」と興奮気味に写真を撮っていらっしゃいましたよ。ちなみに、札幌貨物ターミナル駅〜東室蘭駅の回送は、同じコンテナ車なれど隣同士ではなかったとのこと。

見れば幸せになれる…かもしれない、貴重な紅白のパロマコンテナ。見かけたらラッキー!ぜひ探してみてくださいね。

 

多治見通運の鉄道コンテナ輸送についてはこちらをご覧ください
http://www.tajimituuun.co.jp/railway-container.html

小倉沙耶

PROFILE

小倉沙耶 こくら・さや

鉄道コンテナアドバイザー・鉄道アーティスト
都市交通政策技術者

1980年3月30日生まれ、愛知県豊橋市出身で現在は兵庫県伊丹市在住の鉄道アーティスト。子供の頃から母の実家である長崎に寝台特急「さくら」で何度も帰省し、その鉄道の旅情に魅了され、鉄道ファンとしての情熱を抱く。
2002年から「鉄道アーティスト」としての活動を開始し、テレビ・ラジオ出演や執筆活動だけでなく、鉄道イベントの司会や企画、講演なども手がけている。モットーは「鉄道に関わる全ての方が、笑顔でいられるためのお手伝い」。
2009年には明知鉄道観光大使に就任し、2013年には京都大学大学院工学研究科低炭素都市圏政策ユニットより都市交通政策技術者(第112号)に認定された。
2022年からは一般社団法人交通環境整備ネットワークの審議役を務め、通運の経験を生かし、鉄道コンテナアドバイザーとしても活動している。2021年には出産し、乳幼児連れでの公共交通利用促進と周囲の理解についてメディア・イベントなどで積極的に発言している。
鉄道趣味の中心は気動車・貨車・古いレールであり、その情熱を通じて広く鉄道文化の普及に尽力している。